会社設立後に税務署へ提出する届出書と注意点

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結論:最優先は「青色申告承認申請書」です

会社設立後の届出はいくつもありますが、絶対に期限を守るべきは青色申告承認申請書です。これを出し忘れると、初年度の赤字を翌期以降に繰り越せず、数十万円〜数百万円単位の損失につながることがあります。

この記事では、設立後に提出する届出書を提出先ごとに整理し、それぞれの期限と注意点を解説します。

税務署に提出する届出書一覧

届出書提出期限必要性
法人設立届出書設立日から2か月以内必須
青色申告承認申請書設立日から3か月以内と最初の事業年度終了日のいずれか早い日の前日実質必須
給与支払事務所等の開設届出書開設日から1か月以内役員報酬・給与を払うなら必須
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書随時従業員10人未満なら推奨
棚卸資産の評価方法の届出書最初の確定申告書の提出期限まで任意
減価償却資産の償却方法の届出書最初の確定申告書の提出期限まで任意
適格請求書発行事業者の登録申請書登録を受けたい日による事業内容により検討

法人設立届出書

設立日から2か月以内に、定款のコピーを添付して提出します。現在は登記情報との連携により手続きが簡素化されていますが、提出は必要です。

青色申告承認申請書

期限は「設立日から3か月以内」と「最初の事業年度終了日」のいずれか早い日の前日です。

例えば1月10日設立・2月末決算の会社なら、期限は2月末より前に来ます。「3か月あるから大丈夫」と思い込むのが典型的な失敗パターンです。

  • 欠損金の繰越控除
  • 少額減価償却資産の特例
  • 各種税額控除の適用

創業初年度は赤字になりやすいため、繰越控除が使えないダメージは特に大きくなります。

給与支払事務所等の開設届出書

役員報酬を1円でも支払うなら提出が必要です。提出すると源泉所得税の納付書が送られてきます。

源泉所得税の納期の特例

原則、源泉所得税は毎月納付ですが、給与の支給人員が常時10人未満なら、この申請により年2回のまとめ納付にできます。事務負担が大幅に減るため、小規模法人はほぼ必須の届出です。

注意点として、申請した月の翌月分から適用されるため、申請月の分は原則どおり翌月10日までに納付が必要です。

都道府県・市区町村への届出

  • 東京23区:都税事務所へ法人設立届出書を提出します。区役所への届出は不要です。
  • 23区外・他道府県:都道府県税事務所と市町村役場の両方に提出が必要です。

年金事務所・労働関係の手続き

  • 健康保険・厚生年金の新規適用届:法人は社長1人でも社会保険加入が義務です。
  • 労働保険・雇用保険:従業員を雇用した場合に必要です。

社会保険の加入漏れは後から遡及して請求されるリスクがあります。

出し忘れた場合のリカバリー

  • 法人設立届出書:期限後でも速やかに提出すれば実務上大きな問題にはなりにくい
  • 青色申告承認申請書:期限を過ぎると初年度は白色申告が確定
  • 納期の特例:承認前の月分の納付漏れがあれば早急に納付

まとめ

  • 届出の最優先は青色申告承認申請書
  • 給与を払うなら開設届と納期の特例をセットで提出
  • 新宿区を含む東京23区は都税事務所への届出が必要
  • 社会保険は社長1人の会社でも加入義務あり

当事務所では、会社設立時の届出一式の作成・提出をまとめてサポートしています。「何をいつまでに出せばいいかわからない」という段階で、お気軽にご相談ください。

※本記事は執筆時点の税制に基づく一般的な情報です。個別の判断は税理士にご相談ください。

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この記事を書いた人

前川 崇志のアバター 前川 崇志 公認会計士・税理士

前川公認会計士・税理士事務所 代表。公認会計士・税理士。監査法人、保険会社、不動産会社での実務経験をもとに、会社設立、税務顧問、資金調達、freee導入、相続税申告まで幅広く支援しています。

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